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上場準備企業の経理

上場準備のショートレビューで確認される経理体制の項目と準備する資料|AIを使う経理が追加で示す記録

ショートレビューで経理体制について聞かれる項目は、日本公認会計士協会のガイドブックにほぼ列挙されており、AIを使っている場合はその項目ごとに承認と変更の記録を足して示します。

「上場準備のショートレビューで確認される経理体制の項目と準備する資料」のイラスト
目次
  1. ショートレビューの定義と日本公認会計士協会ガイドブックの位置づけ
  2. ショートレビューの結果が上場審査でつながる項目
  3. ガイドブックⅡ-2の確認ポイント11項目とⅢの事前準備13項目
  4. 経理体制の確認領域ごとに準備する資料とAI利用時に追加で示す記録
  5. AIを使う経理業務の説明方法と承認・変更の記録
  6. アンケートに見るCFO就任とアドバイザー依頼の時期
  7. ショートレビュー後の課題対応と各種説明資料への接続
  8. よくある質問
  9. 参考資料
この記事の要点

ショートレビューは、監査法人やアドバイザーがIPOに向けた課題を抽出する調査で、日本公認会計士協会のIPO事前準備ガイドブックは予備調査・短期調査・クイックレビューも同じものだと説明しています。同ガイドブックのⅡ-2は、月次決算と予実分析、社内規程・職務分掌、情報システム基盤を含む内部管理体制、ビジネスモデルに応じた会計処理など11の確認ポイントを挙げ、Ⅲでは証憑の整理から会計基準の選択まで13の事前準備項目を事例つきで示しています。

AIで仕訳案や増減分析を作っている会社は、同じ項目について、AIの出力を人が承認した記録と、AIの設定や指示文の変更を承認した記録を追加で用意し、ログインIDを個人ごとに付与しておきます。

ショートレビューの定義と日本公認会計士協会ガイドブックの位置づけ

ショートレビューとは、上場を目指す会社に対して監査法人やアドバイザーが行う、IPOに向けた課題を抽出するための調査を指します。予備調査、短期調査、制度調査、クイックレビューとも呼ばれ、会計処理と決算体制を中心に、内部管理体制や関連当事者取引まで範囲に含めることがあります。

日本公認会計士協会が公表している資料が「株式新規上場(IPO)のための事前準備ガイドブック~会計監査を受ける前に準備しておきたいポイント~」です。2020年11月公表版を改訂したもので、Ⅴの制度概要は2025年7月31日時点、収録しているアンケートの実施期間は2025年4月4日から18日です。同ガイドブックのⅠ-1(3ページ)は、ショートレビューを監査法人やアドバイザーがIPOに向けての課題抽出を行うものと説明し、呼称が予備調査、短期調査、制度調査、クイックレビューなど多様で、調査範囲も会計面のみの場合とより広い場合があると書いています。抽出された課題は項目が多岐にわたるため、その後のアドバイザリー契約で助言を受けながら解決を目指す流れです。

同じ節には、会計監査を依頼する予定の監査法人がショートレビューを実施する場合、独立性の制約がある可能性があるので注意が必要だという記述があります。監査法人が課題を抽出したあと、その解決策の作成まで同じ監査法人が担うと、自分が作った決算体制を自分で監査する形になりかねないためです。ショートレビューを監査法人に頼むのか、アドバイザーに頼むのか、その後のアドバイザリー契約を誰と結ぶのかは、この制約を前提に分けて決めることになります。

実施時期について、同ガイドブックⅠのスケジュール図は、直前々期以前(準備期間)、直前々期(N-2)、直前期(N-1)、申請期(N)の4つの列に分かれ、「ショートレビューによる課題の抽出及び改善の為のアドバイスと管理体制構築」を申請期より前の期間に置き、監査対象期間は申請期の2期前からという図です。N-2期とは上場申請期(N期)の2期前の事業年度で、グロース市場の形式要件では、上場申請のための有価証券報告書に添付する監査報告書のうち最近1年間(N-1期)の意見が無限定適正であること、最近1年間を除く期間の意見が無限定適正または除外事項を付した限定付適正であることが求められます。N-2期の期首から監査対象になる以上、課題の抽出はその前に始め、期首残高と会計方針に関わる課題はN-2期の期首までに解決しておく必要があります(編集部の整理)。

「上場準備のショートレビューで確認される経理体制の項目と準備する資料」の内容を示す図
ショートレビューからアドバイザリー契約、N-2期の監査開始、上場審査の公認会計士ヒアリングまでの時系列と、各段階で経理が用意する資料の対応(イメージ)

ショートレビューの結果が上場審査でつながる項目

東京証券取引所の「新規上場ガイドブック(グロース市場編)」(2026年9月15日更新)には、ショートレビューという語は出てきません。公認会計士(監査法人)の役割として、7ページに、有価証券上場規程に基づき提出される財務諸表等について監査意見を表明するとともに、申請会社の会計面及び内部管理体制などの指導も行うと書かれています。ショートレビューは、この「指導」が始まる前の課題抽出に当たるものです。

上場審査の期間中、東証は申請会社の監査を行う公認会計士にヒアリングを行います。同ガイドブック15ページによれば、ヒアリングの内容は監査契約締結の経緯、経営者・監査役等とのコミュニケーションの状況、内部管理体制、経理及び開示体制等の4点。15ページの注1には、重要な会計上の論点は上場申請までに申請会社と監査法人の間で解決しておく必要があるとあります。ショートレビューで抽出した会計上の論点が申請時に残っていれば、公認会計士ヒアリングでそのまま審査側に伝わるということです。

審査の観点そのものは「上場審査等に関するガイドライン」Ⅳ4が定めています。(2)aの経営管理組織、(2)bの内部監査体制、(3)の人員の確保、(4)の実態に即した会計処理基準の採用と会計組織の整備・運用が、経理体制に直接かかわる観点です。各観点とAI利用の関係は上場準備企業の経理AI導入の記事で整理しています。本記事は、その前段階であるショートレビューで何を聞かれ、何を用意するかに絞ります。

ガイドブックⅡ-2の確認ポイント11項目とⅢの事前準備13項目

同ガイドブックⅡ-2(7ページ)が会計監査を受ける際の確認ポイントとして挙げているのは次の11項目です。ショートレビューの実施と課題の整理・解決は3番目の項目として入っており、残りの10項目がショートレビューで調べる対象です。

番号Ⅱ-2の確認ポイント(編集部の要約)経理体制との関係
1収益基盤やビジネスモデルの確立収益認識の単位と計上時期の前提
2監査法人・アドバイザー・主幹事証券会社の選定と相談ショートレビューの依頼先
3ショートレビューの実施と、抽出された課題の整理・解決本記事の主題
4会社法とコーポレートガバナンス・コードを意識したガバナンス体制監査役等による経理の監督
5人材の確保(CFO、経理・財務、内部監査など)決算を担当者1人に依存していないか
6計画的経営(中期経営計画・単年度予算、月次決算と予実分析)月次決算の締め日数と予実差異の分析
7社内規程・職務分掌・稟議決裁ルールの整備経理規程、職務権限、承認の経路
8情報システム基盤を含む内部管理体制会計システムの権限、ログ、変更管理
9ビジネスモデルに応じた会計処理会計方針の文書化
10非財務情報を含むディスクロージャー体制開示資料の作成体制
11関係会社の組織再編・整理連結範囲と関連当事者
出所:日本公認会計士協会「株式新規上場(IPO)のための事前準備ガイドブック」Ⅱ-2(7ページ)をもとに編集部が整理

Ⅲ(11ページ以降)は、会計監査を受けようとしたときの事前準備のポイントを、会計データ・裏付け証憑の整理、発生主義会計及び収益認識会計基準への対応、棚卸資産管理、原価計算体制、資産・負債の管理、連結決算、関連当事者取引の把握・整理、内部管理体制の構築、労務管理、情報システムの内部統制、不正への対応、会計上の見積り、会計基準の選択の13項目に分け、各項目に事例と整備のポイントを付けています。事例の多くは、ショートレビューで実際に指摘される内容と重なるものです。たとえば事例1-1(12ページ)は、売上の請求書控えを各部門がばらばらに保管し、証憑管理の全社ルールがなく、口頭での取引も多い会社です。事例10-1は、情報システムの方針がなく担当者任せで、経理部門でログインIDを共有しているため修正者を特定できない会社で、月次決算後の修正記録が不十分な点も挙げられています。

経理体制の確認領域ごとに準備する資料とAI利用時に追加で示す記録

ショートレビューの質問項目は依頼先ごとに異なりますが、経理体制に関する領域は、上記のⅡ-2とⅢの項目から、月次決算、会計方針と収益認識、証憑と会計データ、内部統制と情報システム、関連当事者取引、社内規程の6領域に整理できます(領域の区分は編集部の整理です)。各領域で用意する資料と、AIを使っている場合に追加で示す記録を次の表にまとめます。

確認領域ガイドブックの該当箇所準備する資料AIを使っている場合に追加で示す記録
月次決算Ⅱ-2の6、事例10-1(月次決算後の修正記録)直近12か月の月次試算表、月次決算スケジュール、締め日数の実績、予実差異の分析資料増減分析の文案をAIが作った月と人が確定した日付、AIの指摘を採用しなかった理由の記録
会計方針と収益認識Ⅱ-2の9、Ⅲ-2(事例2-2)、Ⅲ-12、Ⅲ-13会計方針の一覧、主要な取引の収益認識(5つのステップ)の検討メモ、見積りの前提資料AIが勘定科目や計上時期を提案している取引の一覧、提案を人が判断した記録、判断基準の文書
証憑と会計データⅢ-1、事例1-1・1-2伝票番号と証憑の紐付けルール、契約書の保管一覧、電子データの保存場所と保存期間AI-OCRの読取結果と原本の照合記録、読取誤りを修正した履歴
内部統制と情報システムⅡ-2の8、Ⅲ-8、Ⅲ-10、事例10-1・10-2会計システムの利用者とIDの一覧、権限設定、仕訳の変更履歴、外部委託先とクラウドサービスの一覧AI機能の有効化の承認記録、指示文や設定の変更履歴と承認、AIの出力を人が承認した仕訳の割合
関連当事者取引Ⅱ-2の11、Ⅲ-7、事例7役員・主要株主とその近親者・関係会社の一覧、取引の有無と条件、取引の必要性の検討資料―
社内規程Ⅱ-2の7、Ⅲ-8、事例8経理規程、職務権限規程、稟議規程、関係会社管理規程の制定状況と運用の証跡AIの利用範囲と承認者を定めた規程または運用ルール、規程の制定日
出所:日本公認会計士協会「株式新規上場(IPO)のための事前準備ガイドブック」Ⅱ-2・Ⅲをもとに編集部が整理。AI利用時の記録の列は編集部の整理

関連当事者取引の列にAI固有の記録を置いていないのは、同ガイドブックの事例7が求めるのが、取引の洗い出し、必要性の検討、独立第三者間と同等の条件への見直し、決算書での開示であり、AIの利用とは別の作業だからです。関連当事者の一覧をAIで下書きすること自体は可能ですが、ショートレビューで見られるのは一覧の網羅性と取引条件なので、AIを使った事実を示す必要はありません。

収益認識については、同ガイドブックの事例2-2(15ページ)が、全ての上場会社は企業会計基準委員会の「収益認識に関する会計基準」に従って売上高を計上しなければならないと述べ、5つのステップの検討が必要だと書いています。AIが計上時期を提案している会社は、ステップ5(履行義務の充足時点)の判断を人が文書で定めていることを先に示し、AIの提案はその判断基準を適用した結果だと説明する順番になります。

AIを使う経理業務の説明方法と承認・変更の記録

同ガイドブックの本文に、AI、人工知能、自動仕訳という語は出てきません。クラウド環境を経由したパッケージソフトを会計システムとして使っている会社(事例10-1)と、無料のクラウド環境に顧客の個人情報や証憑を保存し、RPAの外部サーバーにデータを置いている会社(事例10-2)が事例として載っているだけです。事例10-2の整備のポイントは、外部委託先の管理体制やソフトウェアの信頼性を確認することです。生成AIサービスに仕訳案や増減分析の作成を頼んでいる会社は、同じ観点で、どのサービスにどのデータを送り、そのサービスの利用規約で学習利用や保存期間がどう定められているかを一覧にしておきます。

AIの出力を人が承認してから確定する運用と、AIの出力がそのまま確定する運用は、IT統制上の扱いが異なります。2つの運用の区分と、経済産業省のシステム管理基準追補版の記載は経理のAI活用と内部統制の記事で整理したとおりです。ショートレビューの段階では、自社の経理業務をこの2区分に分けた一覧を作り、確定前に人が承認する業務については承認者と承認の証跡、そのまま確定する業務については事後の確認方法と確認者を書いておけば、調査する側は会計システムの変更履歴と突き合わせて運用を確かめられます。自動仕訳を業務記述書とRCMにどう書くかは自動仕訳の業務記述書・RCM記載の記事に、クラウド会計のIT全般統制でSaaS側と自社の分担をどう分けるかはクラウド会計のIT全般統制の記事で扱っている論点です。

事例10-1のログインID共有は、AIの有無にかかわらず修正者を特定できなくする問題ですが、AI機能を有効にしている会計システムでは影響が広がる問題でもあります。AIの学習データや自動仕訳ルールを誰が変えたかの記録は、利用者IDが個人に紐付いていて初めて意味を持つためです。ショートレビューの前に、共有IDを廃止し、AIの設定変更の権限を特定の役職に限定し、変更の承認を稟議または承認ワークフローに乗せておくと、変更履歴がそのまま運用の証跡として使える状態です。

記録の例(数値は架空)

2026年9月の月次決算で、会計システムの自動仕訳ルールが提案した仕訳は1,240件、うち経理担当者が承認前に修正した仕訳は38件(3.1%)、修正の内訳は勘定科目の変更22件、取引先の変更11件、金額の変更5件。自動仕訳ルールの変更は9月中に2件あり、いずれも経理課長が承認ワークフローで承認し、承認日と変更前後のルールを変更管理台帳に記載。ログインIDは経理部4名に個別付与し、共有IDはなし。

アンケートに見るCFO就任とアドバイザー依頼の時期

同ガイドブックⅣは、IPO監査(ショートレビュー)に関するアンケート結果報告書です。対象は、2024年にIPOした会社のうち83%にあたる71社を監査した上位9監査法人のIPO監査実施者で、実施期間は2025年4月4日から18日です。Q4(CFO・管理部長の適切な就任時期)では、ショートレビュー実施前が69%、N-2期前が23%、N-1期前が8%でした。Q5(アドバイザーへの適切な依頼時期)では、ショートレビュー実施前が39%、N-2期前が38%、会社のリソースによるが15%、N-1期前が8%です。

回答のとおり、監査法人の多くはCFOまたは管理部長がショートレビューの前に就任していることを想定しています。ショートレビューの質問に答え、抽出された課題を期限までに解決する責任者が会社側にいないと、課題の一覧が出ただけで止まるためです。Q1(受嘱時に最も重視する点)では、業績(中期経営計画を含む)が43%、成長性・将来性が22%、内部管理体制が14%でした。内部管理体制の整備状況は受嘱判断の3番目の要素にすぎませんが、ショートレビューで抽出された課題の数と重さは、監査契約を結ぶかどうかの判断材料として監査法人に残ります。

経理にAIを入れる時期も、この回答と合わせて決める事項です。ショートレビューの前にAI機能を有効にし、承認と変更の記録を数か月分ためておけば、調査の場でAIの出力を人が確認している実績を示せます。逆に、ショートレビュー直後にAIを入れると、抽出された課題の解決とAI導入の変更が同時に走り、N-2期の期首残高の確定に影響する範囲が広がってしまいかねません。クラウド会計の選定時に確認する機能は上場準備企業がクラウド会計を選ぶときに確認する機能の記事にまとめています。

ショートレビュー後の課題対応と各種説明資料への接続

ショートレビューの報告書は、課題の一覧とその重要度、対応の期限の目安という形で渡されることが一般的です(報告書の形式は依頼先ごとに異なり、ガイドブックに様式の定めはありません)。課題ごとに担当者と完了予定日を決め、完了したものから監査法人またはアドバイザーに報告して、N-2期の期首までに会計方針と期首残高に関わる課題を終えるのが基本の進め方です。

抽出された課題のうち経理体制に関するものは、上場申請時に提出する「新規上場申請者に係る各種説明資料」の記載項目と対応しています。東証の「新規上場申請者に係る各種説明資料の記載項目について」(最終更新日2026年3月25日、2026年4月以降の上場申請に適用)では、2(3)に月次決算の取りまとめに要する日数と経理業務のアウトソーシングの状況、3(3)に予算統制、2(17)に関連当事者取引、2(1)に財務報告に係る内部統制の評価・報告体制の準備状況、4(1)に公認会計士・監査法人との契約を書きます。ショートレビューで月次決算の締め日数を指摘された会社は、改善後の日数が2(3)の記載になり、改善の経過は公認会計士ヒアリングの「経理及び開示体制等」で監査法人から語られる内容です。

AIを使う業務については、ショートレビューの段階で作ったAI利用一覧と承認・変更の記録を、そのまま各種説明資料2(1)の内部統制システムの記述と、上場後の内部統制報告制度の評価範囲の資料に引き継げます。同ガイドブック(4ページ)は、資本金100億円未満かつ負債総額1,000億円未満の新規上場会社は内部統制報告書の監査が上場後3年間免除される一方、内部統制報告書自体は提出しなければならないと書いており、記録の整備は免除の対象外です。ショートレビューの時点で記録の形式を決めておくと、上場後の経営者評価まで同じ記録を使い続けられます。

よくある質問

ショートレビューと短期調査、予備調査は別のものですか。

同じものです。日本公認会計士協会の「株式新規上場(IPO)のための事前準備ガイドブック」Ⅰ-1は、監査法人やアドバイザーがIPOに向けての課題抽出を行う調査の呼称が、予備調査、短期調査、制度調査、クイックレビューなど多様だと説明しています。調査範囲は会計面だけの場合と、内部管理体制まで含む場合があるので、依頼時に範囲を確認してください。

ショートレビューはいつ受けるのがよいですか。

同ガイドブックのスケジュール図は、ショートレビューによる課題の抽出と改善のためのアドバイスを申請期より前の期間に置き、監査対象期間を申請期の2期前(N-2期)からとしています。グロース市場の形式要件では最近1年間の監査意見が無限定適正、最近1年間を除く期間が無限定適正または限定付適正である必要があるため、N-2期の期首残高と会計方針を監査に耐える状態にするには、その前に課題を抽出して解決しておく必要があります。同ガイドブックのアンケートでは、CFO・管理部長の就任時期はショートレビュー実施前が69%でした。

経理でAIを使っていることをショートレビューで申告する必要がありますか。

ガイドブックにAIに関する調査項目はありません。ただし、Ⅱ-2の8(情報システム基盤を含む内部管理体制)とⅢ-10(情報システムの内部統制)の対象には会計システムのAI機能や外部の生成AIサービスも含まれるので、どの業務でAIを使い、出力を誰が承認し、設定変更を誰が承認しているかの一覧を用意し、聞かれたときに示せるようにしておいてください。

ショートレビューで指摘された課題は、上場審査に影響しますか。

課題が申請時点で解決していれば、課題があった事実自体は審査項目になりません。一方、新規上場ガイドブック(グロース市場編)15ページの注1は、重要な会計上の論点を上場申請までに申請会社と監査法人の間で解決しておく必要があると書いており、審査中の公認会計士ヒアリングでは内部管理体制と経理及び開示体制が確認されます。未解決の課題はヒアリングを通じて審査側に伝わります。

参考資料

  1. 日本公認会計士協会「株式新規上場(IPO)のための事前準備ガイドブック~会計監査を受ける前に準備しておきたいポイント~」(2020年11月公表版の改訂版、Ⅴの制度概要は2025年7月31日時点、アンケート実施2025年4月) (最終確認 2026年10月20日)
  2. 日本公認会計士協会「株式新規上場(IPO)のための事前準備ガイドブック」紹介ページ (最終確認 2026年10月20日)
  3. 東京証券取引所「新規上場ガイドブック(グロース市場編)」2026年9月15日更新(7ページ 公認会計士の役割、15ページ 公認会計士ヒアリング) (最終確認 2026年10月20日)
  4. 東京証券取引所「上場審査基準概要(グロース市場)」形式要件(虚偽記載又は不適正意見等)・上場審査の内容 (最終確認 2026年10月20日)
  5. 東京証券取引所「上場審査等に関するガイドライン」Ⅳ 株券等の新規上場審査〔グロース市場〕4(東証規則集) (最終確認 2026年10月20日)
  6. 東京証券取引所「新規上場申請者に係る各種説明資料の記載項目について」最終更新日2026年3月25日 (最終確認 2026年10月20日)

本記事は2026年10月20日時点で確認できた法令・資料に基づいています。個別の取引への当てはめは、顧問税理士や監査法人と確認してください。

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